ADHD/ADD(注意欠陥多動性障害)とは?
ADHD/ADDの歴史
ADHDに関する大まかな歴史的流れを年表にまとめました。(by 800)
近年については更新していませんのでご了承ください。(by 月星)
| 19世紀以前 | 子供が「悪い」のは道徳的観念がないからだとされ、子供や親が責任を負わされ、体罰が下された。 |
| 1890年 | ウィリアム・ジェームズ「心理学の原理」の中に成人ADHDの存在を示唆する記述。 |
| 1902年 | ジョージ・フレデリック・スティル(英・王立医学校の小児科医)、「手に負えない子供」は先天的、あるいは出生児の外傷によるのではないかという仮説を立てる。 |
| 1934年 | ユージーン・カーンとルイス・H・コーエン、脳炎の患者が多動性や衝動性を示したのは生物学的な原因があったからだと主張。 |
| 1937年 | チャールス・ブラッドリー(英)、行動に問題のある子供たちに中枢刺激剤(ベンゼドリン)を投与、有効であったと報告。以後、アメリカでは多動児に中枢刺激剤を処方することが一般化。 |
| 1947年 | D.ヒル、8名の成人の精神病質者にアンフェタミン(中枢刺激剤)を投与して効果を上げる。 |
| 1957年 | モーリス・ローファー、多動症候群の原因として視床機能不全説を発表。脳の視床で刺激を選別する機能がうまく働いていないために多動が起こるとした。 |
| 1960年 | ステラ・チェス、「多動児症候群」発表。 |
| 1960年代 | 多動症候群は遺伝に基づく生物学的な機能不全らしいことが次第に明らかになる。 |
| 1970年 | C.コーネツキー、多動に関する「カテコールアミン説」を発表。ADDがノルアドレナ リンやドーパミンなどの神経伝達物質の生産低下や利用低下によって起こるとした。 |
| 1970年代初頭 | 多動症候群に注意欠陥や衝動性も含まれるようになる。 |
| 1976年 | ウッド、ウェンダーら、ユタ大学グループ、微細脳機能障害(MBD)をもつ成人にメチルフェニデートを投与し、有効性を得る。 |
| 1978年 | アリゾナ州スコッツデールでアメリカで初のADD学会 |
| 1980年 | アメリカ精神医学会の診断・統計マニュアル「DSM-V」発刊。「注意欠陥障害」(ADD)が定義されるとともに、成人のADDを「注意欠陥障害、残遺型」として定義する。 |
| 1981年 | ウェンダーら、ペモリンを成人ADDに投与して効果を調べる。 |
| 1984年 | H.C.ルーら、ADDでは前頭葉の血流が減少する研究を発表。特に右脳の血流減少が著しいとする。 |
| 1985年 | ウェンダーら、「ユタ基準」を整備し、メチルフェニデートを成人ADDに投与し効果を上げる。 |
| 1986年 | シェルーン、前頭葉仮説を体系化。 |
| 1987年 | 「DSM-V」の改訂版「DSM-V-R」発刊。ADDは「注意欠陥多動障害」(ADHD)と改められ、多動を伴わない注意欠陥障害は「分類不能の注意欠陥障害」とされる。 |
| 1987年 | CHADD(Children and Adults with Attention-Deficit Disorder)結成。 |
| 1989年 | グッドマン、スティーブンソン、一卵性双生児のADDの一致率が51%であるのに対し二卵性双生児では33%であると発表。ADHDの発現に遺伝が大きな役割を果たすことが明らかになる。 |
| 1989年 | ADDA(Attention Deficit Disorder Association)結成。 |
| 1989年 | 最初の成人ADHDクリニック、デトロイトのウェイン州立大学に設けられる。 |
| 1990年 | ザメトキンら、PETスキャン(陽電子放射断層装置)によりADDの人とそれ以外の人の脳のグルコースの代謝を調べ、ADDグループの代謝が8%減少したと発表。特に前頭葉前部と前運動野で代謝活動が減少していることを突き止め、前頭葉仮説を裏付ける。 |
| 1990年 | アメリカ障害者法(ADA)成立。ADHDも障害として認められる。 |
| 1992年 | リン・ワイス"Attention Deficit Disorder in Adults――Practical Help for Suffers and Their Spouses"発刊。成人ADDが全米で注目される。 邦訳『片づかない!見つからない!間に合わない!』(2001年) |
| 1992年 | 国連世界保健機構(WHO)国際疾病分類第10版「ICD-10」を発刊。「多動性障害」(Hyperkinetic Disorder)を定義。 |
| 1994年 | E.M.ハロウェル、J.J.レイティー"Driven to Distraction Recognising and Coping with ADD from Childhood through Adulthood"発刊。 邦訳『へんてこな贈り物』(1998) |
| 1994年 | アメリカ精神医学会診断統計マニュアル「DSM-W」刊行。ADDのすべてのタイプはAD/HD(注意欠陥/多動性障害)に一元化され、多動のないADDは「注意欠陥/多動性障害・不注意優勢型」に位置づけられる。 |
| 1995年 | P.H.ウェンダー"Attention-Deficit Hyperactivity Disorder in Adults" 発刊。邦訳『成人期のADHD』(2002年) |
| 1995年 | ADHDとドーパミン遺伝子異常との関連が確認される。(American Journal of Human Genetics) |
| 1995年 | トマス・アームストロング「ADHDは社会的に作られた病気」(Education Week) |
| 1995年 | サリ・ソルデン"Women with Attention Deficit Disorder: Embracing Disorganization at Home and in the Workplace"発刊。邦訳『片づけられない女たち』(2000年) |
| 1996年 | 「ADHDの子供に特有の遺伝子発見」 |
| 1997年 | D.B.サダース、J.カンデル"Adult Add: The Complete Handbook: Everything You Need to Know About How to Cope and Live Well With Add/Adhd"発刊。邦訳『おとなのADHD』(2001年) |
| 2000年 | 「片づけられない女たち」邦訳が出版され、以来、我が国で成人のADHDが注目される。 |
| 2001年 | ダニエル・エイメン"Healing ADD:The Breakthrough Program That Allows You to See and Heal the Six Types of Attention Deficit Disorder" 邦訳『「わかっているのにできない」脳』1・2(2001年) |
| 2001年 | 「大人のエーディーエイチディーの会」(SOAA)NPO法人として認証。 |
| 2001年 | 「えじそんくらぶ」NPO法人として認証。 |
参考文献
・E.M.ハロウェル、J.J.レイティー 「へんてこな贈り物」インターメディカル
・P.H.ウェンダー 「成人期のADHD」新曜社
・D.サダース、J.カンデル「おとなのADHD」VOICE
・A.マンデン、J.アーセラス 「ADHD注意欠陥・多動性障害」東京書籍
・L.ワイス「片づかない!見つからない!間に合わない!」WAVE出版
・その他