ADHD/ADD(注意欠陥多動性障害)とは?


成人ADD/ADHDの薬物治療

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精神医学は歴史的に統合失調症と双極性障害を中心とする精神病,今日の強迫性障害や単極性うつなどを包含していた神経症,てんかん,心気症などを扱う領域とされてきました。現代では研究の進展に伴って従来の精神病や神経症といった概念が「解体」されつつあり,臓器としての脳がかかわる類縁疾病・障害にその適用を広げつつあります。

近年ADD/ADHDの概念が注目されるようになった理由の一つは,何より治療薬としてのリタリン(リタリン)の効果が医療,教育,ADD/ADHDの傾向をもつ子を育てる人々,そしてマスコミの間で広まったからでしょう。ADD/ADHDは自閉症やトゥレット症候群などとの類縁性をもつ発達障害の一種ですが,以前は具体的な治療方法がないという理由で伝統的な精神医学からは無視されてきました。処方薬として実はかなり長い歴史をもつリタリンの「再発見」が突破口となり,発達障害に対する理解が深まるのではないかと期待されているのです。


薬物治療に用いられる薬剤

リタリン(メチルフェニデート)

  • リタリンQ&A
  • リタリンによる治療の体験記,アンケートなど?

以前はADHDのファーストチョイスとしてリタリンを処方していましたが、今の法律では睡眠障害のナルコレプシーのみの処方となっており、ADHDには使われません。


ベタナミン(ペモリン)

ベタナミンもリタリンと同じ中枢刺激剤ですが,リタリンほど多くのADD/ADHD者に効果を示すわけではないようです。でも,ベタナミンに最もよく反応する人もいるようですし,一日一回の処方でよい,依存性がつきにくいなど,いくつかの利点もあります。薬価は10mg錠16.3,25mg錠37.4, 50mg錠69.6です。

問題となる副作用として肝臓中毒症と再生不能性貧血があげられているため,ベタナミンを服用するときは定期的に肝機能を検査する必要があることに注意が必要です。


トフラニール(イミプラミン)

人口冬眠の研究によって偶然発見された最初の抗うつ剤で,3環系抗うつ剤のカテゴリーに入ります。ADD/ADHDの子どもには有効であることが立証されているのですが,成人に投与した場合についてはよく調べられていません。また投与直後は効いていても,しばらくすると耐性が生じて効かなくなってしまうことがよくあるようです。トフラニールの薬価は10mg錠で9.7,25mg錠で12.5。


カタプレス(クロニジン)

降圧剤としてよく用いられるアドレナリンα2拮抗剤カタプレスはADD/ADHDに効果が認められています。リタリンなどと併用すると攻撃的なこどものADD/ADHDに効果があるという報告があるのです。ただ本邦では成人に対する投与例があまりないと思われます。薬価は0.075mg錠で6.4,0.15mg錠で11.4となっています。

あなたがもし高血圧症に悩んでいなければ,副作用としての低血圧症と薬をやめたときの反動性高血圧症が問題となります。服用を中止するときは反動性高血圧を避けるため,徐々に薬を減らしていかなければなりません。


SSRIs

ADD/ADHDを抱える人々はうつ状態になりやすいといわれています。元来抱えるストレスに対する弱さと,実生活で直面する挫折などが複雑にからんで,一次性とも二次性ともとれるうつ状態になってしまうのです。うつに対する処方としてSSRI(セロトニン選択的再取り込み阻害剤)と呼ばれる一連の薬剤が処方されることは十分ありえます。しかし,ADD/ADHDの直接的な症状には無効である場合が多いようです。


アンフェタミン類とその他のドーパミン作動薬

日本でアンフェタミン類を所持,使用,譲渡すると覚せい剤取締法によって厳重に処罰されてしまいますが,アメリカでは医師の処方のもとに使用することができます。かの地ではリタリンと並んでファーストチョイスとされており,リタリンは効かないがアンフェタミンは効くケース,逆にアンフェタミンは効かないがリタリンは効くケースのいずれも知られています。依存,中毒にならないのかと心配されるでしょうが,ADD/ADHD者が服用しても健常者のようにハイな気分を感じられるわけではなく,むしろ多動がおさまって落ち着いたり,秩序だった思考ができるようになったりするというのです。不思議ですね。ただ,前述のとおり日本でアンフェタミン類が解禁される見込みはまずないので,とりあえずあきらめるしかないでしょう。

この他,日本では処方されていないものの,ADD/ADHDに対して効果が認められている薬がいくつかあります。その多くはドーパミン作動薬と呼ばれるものです。